ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~
「翔真……」
そうかもな。
認める。
愛されてるってわかったのは、嬉しいから……。
「へい翼咲ちゃん、泣いてねぇで戦おうぜ?……約束、今果たせよ」
翔真の片腕から拳が飛んできた。
それを俺は、片手で受け止める。
「……俺、もう空手できねぇよ」
「は?」
力が抜けた翔真の手が、床に落ちた。
「……捨てられた日の夜にさ、お前との約束も果たせなくなって、親に捨てられて絶望した俺は……自殺未遂したんだよ。軽蔑するだろ?」
俺は右手の袖を拭い、翔真に縫跡のついた肌を見せた。
「……そうだな。何でそんなことまですんのか俺にはわかんねぇよ。お前らしくもねぇ。
俺には、お前をたぶん試合でしか理解出来ねぇ。ハンデだ。剣道で戦おうぜ。
俺これに関しちゃまだまだ初心者だし、お前もだろ?」
翔真は俺の顔の前に竹刀を突き出した。
公平な勝負……。
「本当に、うざいくらい真っ直ぐだな!」
お前のその純粋さに、俺はいつも救われるよ………。