ネェ、オレヲアイシテ? Ⅱ~Buddy or Family~
泣いている俺を見て、妖斗は笑った。
「……兄さん、会いに行こうよ。
父さんと母さんに。
……俺、父さんと母さんの遺体喰蝶の奴らに見せられたんだ。
……俺一人で埋めるのは嫌だったんだ。それじゃあ、俺と兄さんを守ろうとした母さんと父さんは心配しちゃうでしょ?
……みんなで、埋めに行こう」
その言葉を聞くのに、10年も時間がかかってしまった。
遅すぎるかもしれない。
でも、それでも、妖斗に言われると、……あの母さんと父さんなら笑って許してくれる気がしたんだ。
俺にはもう二人の記憶すら殆どないのに、不思議とそう思えた。