もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開

>>初めての寄り道。




『よし、拓叶、藍ちゃん、川たん!行くよ!』


そう、お昼休みになった途端、漣くんはあたし達を引っ張って中庭のテラスに連れてきた。


校舎の中庭には、芝生が敷かれてテーブルがいくつもあるテラスがある。

でもそこはやっぱり、生徒に人気で遠目で憧れて見ていただけだった。



『暑っついな〜!!』


「うん、そうだけどどうしてあたし達を?」



漣くんに聞くと、ニヤリと笑を浮かれた。



『そりゃ、友達だからな!』



キメ顔で答えると、言った本人と拓叶が声を出して笑った。


友達…か。

その言葉でわくわくしていた幼稚園、小学校時代が懐かしくなる。

友達100人なんて、誰もが一度は夢見ただろう。



「友達…ふふっ、友達!!」


「円ちゃん…」



円ちゃんは嬉しそうに、両指の先を合わせて微笑んだ。


か、か、可愛い……

そんなこと、似合わなさ過ぎて出来ないよ…



『川たんも、藍ちゃんもよくテラス周り通る度に、一瞬立ち止まって羨ましそうに見てたからさ』



漣くん…


お調子者で誰とでも仲が良くて明るくて…

そんな人はクラスの端にいる子なんて、眼中にないのかなって思ってた。

だけど、クラス全体を見てたんだ…





< 112 / 276 >

この作品をシェア

pagetop