もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開
episode 4.

>>知らない過去。




『藍!!』



お昼休みになり、中庭のテラスに行こうとした途中に伊織に呼び止められた。


あの案件以来、伊織を避けてしまって、まだ怖くて目すら合わせられなくなっていた。



『藍、本当にごめん…俺、藍のこと!!』


「ごめん…まだ、伊織のこと…怖い」



たった一度の行いのせいで、今まで側に居てくれた人を怖くなるなんて…


ごめん…本当に、ごめんね。


拓叶との関係もまだ何もちゃんと話せてなくて…隠し事ばっかりで心配かけてるよね。



『藍、行くよ?』



伊織に背を向けて俯いていると、右手を掴まれた…


あたしの手を暖かく包み込んでくれる優しい手。



「うん。」



拓叶に手を引かれ、歩き出す。



『わり、高松…そういう事だから』






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