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>>ずっと傍に。




そして迎えた拓叶の誕生日である8月20日…


その日がまさかの地元の大きなお祭りと日が同じということで、拓叶の誕生日を知る漣くんがあたしと円ちゃんを誘ったのだ。

それがつい四日前の話で、お祭りと言えば浴衣ということもあり、急いで円ちゃんと予定を合わせて昨日、浴衣を購入した。


拓叶は『祭りか…』と面倒くさそうに呟いたけど、どこか口角が上がっていたのを見た。


浴衣を買ったものの、着たことがないあたしは、円ちゃんのお母さんに着させてもらうことで待ち合わせ二時間前に円ちゃんの家にお邪魔している。



「お祭り、楽しみだね!!」



早くも浴衣に身を包み終わっている円ちゃんは目をキラキラさせて、待ち合わせ時間をまだかまだかと時計とにらめっこ。


紺色の生地にひまわりの柄の浴衣が円ちゃんによく似合っている。


髪留めまでもがひまわりで可愛さが増している。



「そうだねー」


「でも、ごめんね?
せっかくの拓叶くんの誕生日なのにお邪魔して…」


「いや、いいよいいよ!
漣くんに助かったところもあるし」



いけないいけない。


円ちゃんに気を使わせては…





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