もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開
>>熱い時間…。
お祭り会場を後にして、家に戻ったのは20時半を過ぎた頃。
人混みで疲れた拓叶はすぐにベッドで寝てしまった…
その1時間、ひたすらあたしはあたふたするばかり。
起きてどのタイミングでプレゼントを渡そうか…
どのタイミングでケーキを出そうか…
『藍…』
「あ、起きた!?
ごめんね…疲れさせて」
『うぅん。』
「あ、えっと…
ちょっと待って!!」
目を擦る拓叶を見て、あたしは冷蔵庫からケーキを取り出し、お皿に移してフォークをテーブルの上に並べた。
ショートケーキを二つ…
「誕生日…おめでとう。」
恐る恐る拓叶を見ると、拓叶は泣きそうな目をしてあたしを見た。
そしてベッドから降りて、あたしの隣に座る拓叶を見て、プレゼントを渡すタイミングはここだと踏み込んだ。
バッグから長細い箱を取り出す…
「誕生日プレゼント…
気に入ってもらえるかは…わかんないんだけど!」
ぐっと拓叶に押し渡す…
『ふっ、不器用な渡し方』
そうクスクス笑って『ありがとな』と受け取ってくれた拓叶。