もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開

>>帰るべき場所。




文化祭2日目は1日目に回れなかった分、たくさん屋台を回ったり、教室の展示を見に行ったり、お化け屋敷に入ったり…


あっという間にはしゃいで楽しい時間が過ぎた。


翌日に大変な片付けが待っていると分かっていても、クラスの数人は打ち上げだったり、カラオケに行ったりする予定を立てている。


打ち上げとか、そういうのが苦手なあたしを拓叶は察してくれて、誘いを断って二人で帰ることに決めてきた。


まだ、少し騒がしい廊下を二人で抜けて下駄箱まで歩いて、自分の靴箱を開けると小さなメモがローファーの上に乗っていた。



「何これ…」


『ん?どうかした?』


「へっ!?いや、なんでもない!!」



咄嗟にそのメモをスカートのポッケにしまい込む。


メモから一瞬見えた字の書体は間違いなく、伊織の字だったからだ。

伊織は今日、数回見かけたけども、目が合うとすぐあたしの前から走って消えてしまった。

文化祭後のHR、伊織の姿もなければ鞄もなくて…


ますますポッケに入れたメモの内容が気になって仕方がない。





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