もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開



でも、そんなこと聞けない。


あたしと同じだと思う。


誰にも知られたくない…秘密。




『腹の傷、あいつ…高松に黙ってんだろ?』


「うん。もう心配かけたくないし。」



どうしてこんなにも、内山くんにはお見通しなのだろう。


あたしからしたらつい最近、知りあったクラスメイトなのに。



『やっぱりな。
あんま一人で背負い込むなよ?』


「んー。でも、それしか方法ないから。」


『俺に頼れっつってんの』


「頼れって…」



さっきまでの爽やかイケメンではなく、素の内山くんに変わった。


…うぅ。


頼れって言われても。


あたしの家庭事情に、他人を巻き込む訳にはいかない。


そう。


あくまでも、内山くんは他人だから。


一人で背負い込むしかないんだよ。


誰にも吐けなくて、ストレスの発散法もよくわかんなくて。



『ほら、また泣きそうになってる。』


「っ…」


『お前、強がりだもんな。
いつまでもクールぶってんなよ?』


「…だって」



だって、それしか自分を保てなくて


甘えたいのに、甘えられなくて


友達なんて所詮、他人なんだよ。


だから…



『ばーか。泣くなよ…』



ダメだ…


涙が溢れて止まらなくなる…





< 42 / 276 >

この作品をシェア

pagetop