もっと、めちゃくちゃにして。←ベリーズカフェ限定公開


高松 伊織 (Takamatsu Iori)

伊織は幼なじみで唯一、あたしの病状を知っている。



『また、あいつの声か?』


「うん…」


『今日も藍、教室に残ってたから心配で来てみたら』


「ごめん」


『ほら、帰るか?』



あたしの頭を撫でて、ニコッと歯を見せると腕を引っ張って立たせてくれた。


そのままあたしの手を引っ張って歩く伊織。



「ちょっと、部活は?」


『いい。怒られるけど…』


「もう…」


『あ、そうだ今日さ!』



と、伊織は今日あった面白いエピソードを話してくれた。


一人でもあたしの病状を知っている人が側にいる方が安心する…っていう母の言葉に、伊織は素直に頷いて同じ高校を受験してくれた。


伊織はバスケ部の時期エースとも言われていて、クラスではムードメーカー的存在でクラスの中心人物だ。



「ごめん」


『なんで?
悪いのはあいつだろ…』


「もういいよ」


『良くない。
藍をたくさん傷付けたことも知らず、平気で笑ってんだぞ?』


「…」



この前、たまたま伊織は部活帰りに龍也くんと会った。


龍也くんの隣には彼女さんが居たらしく、思わず胸ぐらを掴んだって…


詳しくは話してくれなかったけど。



『藍も、もうやめろよな?』


「…」


『噂、聞くのも辛い。』



あたし…知らない間に伊織に心配かけてた。



「ごめん…」


『辛くなったら、なんでも俺に話せよな!』



そうニカっと笑うと話を逸らすように『夕飯は何だろなー』と言い出す。



「ありがとね」


『…ばーか』




伊織が居なかったらあたし、あの日から立ち直れてなかった…。






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