絶対命令アプリ
亜美には違う視点から調べてもらうため、スマホゲームに関する書籍を読んでもらっていた。


こんな進学校でもゲームや漫画に関する本が置いてあることには、驚いた。


保険の先生が言っていた『勉強だけが人生じゃない』という言葉を思い出す。


「なにか見つけた?」


あたしと紗菜は一旦パソコンを離れて亜美が座っている長テーブルへと移動した。


同じテーブルには数人の生徒たちが教科書を広げて勉強しているので、極力小声で話さないといけない。


亜美は本から顔を上げて左右に首を振った。


やっぱり、《絶対命令アプリ》については何も書かれていないようだ。


あたしはため息を吐き出して亜美の隣に座った。


放課後の時間を削って調べてみても、結果は得られなかった。


「でも、ちょっと気になる記事を見つけたの」


亜美がおずおずとそう言って来た。

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