"鬼"上司と仮想現実の恋
私達は、行きつけの居酒屋に来た。

「乾杯! お疲れ〜」

生ビールのジョッキを合わせて、ゴクゴクと喉を潤す。

「瀬名は面談、どうだった?」

「それがさぁ…」

と私は枝豆を食べながら愚痴をこぼす。

「『困った事はないか?』って言うから、
『残業多すぎ』って答えたのに、『そんな事
言った奴は初めてだ』ってあきれられちゃって
さぁ。」

「ぷっ
お前、そんな事言ったの?」

「だって、困ってる事なんて、それくらい
だもん。」

「そしたら、普通は『ありません』って
答えるんだよ。」

「元はといえば、田中君がとってきた仕事
じゃん。
もっと余裕ある納期で受注してきてよ。」

「お?
そう来る?
競合他社を掻い潜って高利益で受注しようと
思ったら、納期の速さで差別化を図るしか
ないだろ!?」
< 12 / 407 >

この作品をシェア

pagetop