"鬼"上司と仮想現実の恋
「じゃあ、瀬名、もう出るぞ。」

そう田中君に言われて、私は慌てて外出の準備をする。

5分後、私たちは、エレベーターに乗っていた。

「突然、来週デビューって言われても、
不安しかないんだけど………」

私が思いっきりブルーな空気をまとって言うと、

「部長がもう行けるって判断したんだろ?
自信持って、やればいいよ。
時間がある時は、俺も練習付き合ってやるし。」

といつもの優しい笑顔を向けてくれた。

「うん。
ありがとう。」


その日、1日、田中君と過ごして思った事は、やっぱり田中君はいい人だ…という事で、

田中君は、私にはなくてはならない友人だという事だった。


でも、これって、私の甘えかな?

私、田中君に依存してる?

私、田中君に与えられるばっかりで、何も返せてない気がする…
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