"鬼"上司と仮想現実の恋
9階は、役員室のフロア。

「どこへ行くんですか?」

私が聞くと、

「社長室。
社長からの呼び出しだ。」

「え!?」

社長って、悠貴さんのお父さん?

「噂を聞いたらしい。
今朝、暁里を連れてこいって、電話があった。」

「えぇ!?
そんな心の準備が…」

「前もって言ったら、平常心で仕事が
できないだろ?
そんなに気にする程の人じゃないから、
気楽にしてていいよ。」

「気にしますよ!
悠貴さんのお父さんですよ!」

「大丈夫。
父は俺に甘いから、反対しないと思うし、
万が一、反対されても俺が全力で守るから。」

悠貴さんにそう言われて、嬉しい反面、やっぱりドキドキが止まらない。
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