"鬼"上司と仮想現実の恋

挨拶〜佐久間家へ〜

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10月6日(土) 15時

昼食のお寿司を食べ終えて、まったりと家族団らんを楽しんだ後、私たちは車で佐久間家に向かった。

運転席に旭、助手席に晴、後部座席に私と悠貴さんが座る。

「駅までで良かったのに。
悪いね。」

悠貴さんが言う。

「県庁の近くでしょ？
近いから、大丈夫ですよ〜。」

旭も晴も毎日、自動車通勤で運転には慣れている。


20分後、悠貴さんの実家に到着した。

「旭ちゃん、晴ちゃん、ありがとう。
また明日ね。」

そう言って、悠貴さんは車を降りる。

「旭、晴、気をつけて帰るんだよ。」

そう声を掛けて、私も降りた。

「お兄さん、お姉ちゃん、またね〜」

旭はそう言うと、あっという間に車を走らせて帰っていった。