"鬼"上司と仮想現実の恋
「営業の件、一週間やるから、考えておけ。」

「はい。」

「じゃ、仕事の話は終わり。
後は旨いもの食っとけ。」

「はい!」

私はおいしいお料理を楽しんだ。

"鬼"と言われた部長は、仕事以外では"鬼"ではなく、話が上手く人を楽しませる事が上手だった。

営業成績がいい理由はここにあるのかなぁ…

「瀬名は一人暮らし、長いのか?」

「就職してからなので、4年目です。
大学は実家から通ってましたから。
あ、私、大学は名古屋なんですよ。
もしかしたら、どこかで部長ともすれ違ってた
かもしれませんね。」

「ふふっ
そういうとこだよ。」

「何がですか?」

「お前が営業向きなとこ。
関係ない話からも相手との共通点をさらっと
挟むだろ?
相手はそれでお前に親近感を持つ。
同じ品質で同じ値段だったら、知らない
親父から買うより、親しみのある綺麗な
お姉さんから買いたいと思う。」
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