"鬼"上司と仮想現実の恋
「ぷっ
それ、なんの例えよ。
確かに、分からなくもないけど。」

悠貴さんの変な例えに、思わず、私も笑ってしまった。


優雅に泳ぐマンタを眺め、なぜいるのかよく分からないカピバラを通り過ぎると、オットセイ達が現れる。

「ペンギン!」

大好きなペンギンを見つけて、私は思わず駆け寄った。

今回も、私はしばらく動けない。

じっとペンギン達を眺めていると、やはり隣から視線を感じた。

「悠貴さん?」

「気にしなくていいよ。
好きなだけ見てていいから。」

悠貴さんはそう言って、私の腰を抱き寄せる。

私は悠貴さんに体を預けて、心ゆくまでペンギンを眺めた。


屋外へ出ると、大好きなペンギンがショーをしていた。

私はまた、動けない。
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