"鬼"上司と仮想現実の恋
「ま、あの時はまだ俺の片思いだと思ってた
からな。
ものすごくイラついるのを必死で抑えて
笑ってたよ。」

「そうだったの!?」

私は驚いた。

「だって、私はあの時、上村さんにベタベタ
触られてる悠貴さんを見て、イライラが
抑えられないから、席を離れたんだよ。」

「くくっ
あの2人がかき回してくれたから、俺たちは
上手くいったのかもな。」

そうなんだ…

じゃあ、百合ちゃんも田中君にヤキモチ妬いてもらえたら、上手くいく?

「よし、百合ちゃん、明日からいつも以上に
親切な百合ちゃんでいてね。」

明日からの作戦が決まって、私達は、解散した。


私は悠貴さんとタクシーで帰る。

「あれ? 悠貴さん、今朝、車でしたよね?」

「ああ、今夜は置いてくよ。
明日の朝は電車だな。」

「でも、駐車料金が…」
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