"鬼"上司と仮想現実の恋
私が怒ると、

「いえ、暁里さん、いいんです。
私も悪かったんですから。」

と百合ちゃんが田中君を庇おうとする。

「田中君!
今日は百合ちゃん、家まで送ってよね。」

私が言うと、

「は? なんで!?」

と田中君。

「このまま1人で帰したら、絶対、あの2人の
どっちかが送るって言うわよ。
田中君なら、信頼して私の百合ちゃん、
任せられるから。」

私が言うと、

「いつから、富田さんは瀬名のものに
なったんだよ。」

と田中君は、呆れたように言う。

「え? 知らなかったの?
百合ちゃんは、ずーっと私のものだよ。
ま、どうしてもって言うなら、田中君には
ちょっとだけ貸してあげてもいいけど。」

と私は笑った。
< 357 / 407 >

この作品をシェア

pagetop