"鬼"上司と仮想現実の恋
「そういえば、部長と瀬名、結婚しても配属は
このままですか?
どちらか異動とかないんですか?」

長谷部主任が思い出したように聞いた。

「ん? 長谷部、俺に異動して欲しいの?」

「違いますよ。一般論です。
普通は、夫婦で同じ部署ってないじゃない
ですか。
どうなんですか?」

「んー、ほんとは、異動の話はあった。
でも、俺が嫌だから、潰した。」

「は!?」
「え?」

田中君と私は同時に声を上げた。

「どういう事ですか?」

田中君が聞く。

「社長には、どこに異動したいか聞かれた
から、暁里と違う部署にするなら、この会社
辞めて、違う会社を興すって言ったら、
異動はなくなった。」

「はぁ…
わがまま御曹司ですね〜」

「俺と暁里だけで、月2億は売上
作れるんだぞ。
システム開発を下請けてくれる会社を
押さえられれば、余裕でやっていける。
ただのわがままじゃないさ。」

と悠貴さんは笑った。
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