"鬼"上司と仮想現実の恋

『クマさん』は、そんな懐かしい故郷の写真を時々アップしてくれている。

春の桜
夏の花火
煌めく川面
色づく紅葉
雪景色

懐かしい風景に心癒されたくて、時々クマさんのダイアリーを訪れる。

何度かコメントをやり取りしているうちに、クマさんも私のダイアリーにコメントを寄せてくれるようになった。

いつも優しくて、あたたかくて、前向きなクマさんのコメントを読むうちに、私は徐々にクマさんに惹かれていった。

会った事もなければ、見た事すらない。

そんな人に恋をするなんて、変なのかな?

だけど、クマさんとのここでの会話が私の1番の心の拠り所なんだ。

だから、私は今日も、現実の写真を仮想現実の世界にアップする。

でも、仮想現実の世界のクマさんが現実に現れる事はきっとない…
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