"鬼"上司と仮想現実の恋
「っ!!
悠貴さん!
まだみんな見てますよ!」

まだ周りは、帰る前に私たちに挨拶をしようと様子を伺っている人達でいっぱいだった。

私が抗議すると、

「いいじゃん、おでこにキスくらい。
暁里がかわいすぎるから、いけないんだろ?」

と悪びれもせず、笑った。

私達は、今日頑張ってくれた司会の方や社内の出席者や取引先などを取り纏めてくれた総務の方たちにお礼を述べて、会場を後にした。



3日ぶりの我が家。

「ただいま。」
「おかえり。」

私達はお互いに挨拶をして部屋に入る。

「疲れた。一緒にお風呂に入ろ?」

悠貴さんが言った。

「っ!!
無理!!」

私が言うと、

「夢の国では、入ってくれたのになぁ」

と悠貴さん。

だって、あれは…

私が真っ赤になってると、

「ふふっ
暁里、かわいい。」

悠貴さんから、キスが降ってくる。

額に、こめかみに、頬に、瞼に、唇に…
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