艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~

今夜のデザートは、オレンジジャムで作った寒天ゼリーだ。キスをしていると、マーマレードのような仄かな甘みと苦みが二人の間で混ざり合う。


「藍、もっと口開けて」

「や、んん……」


ソファの上、抱き寄せられた腕の中で、彼の指に下顎を引かれる。
あんまり大きく口を開けると、彼の舌が深く入り込んでしまう。もう口の中の私の弱いところは全部知られてしまっていて、上顎を執拗に撫でられ続け、いつもあっという間に腰が抜ける。


そうしたらもう、後は抱き上げられてすぐにベッドまで連行だ。
せっかく帰宅が早いのに、もっといろんな話もしたいしそういう時間を取れば彼の方から何か聞けたりするかもしれない、とか考えるのに。


増えたふたりの時間分、彼は私を貪るように愛してくれる。
今夜もまた、そのパターンか、と思ったとき。彼の携帯の着信音が鳴った。



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