艶恋婚~御曹司と政略結婚いたします~


どさり、と間近で音がして、意識が現実に引き戻される。


顔を上げれば秘書の安達が、ため息を吐きながら未処理の書類の上に更に書類を積み重ねたところだった。


「浮かれてらっしゃるのはわかりますが、仕事を進めてください。明日から土日絡めて連休にしたいというご希望を叶えたいなら」

「いや。休む。そこは何があっても休むからな。藍と約束してるんだ」

「でしたらお早く」


そうだ。
明日の金曜、ふたりで婚姻届を提出してそのままゆっくりと休日を過ごすつもりだ。


仕事(安達)に邪魔されるわけにはいかない。


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