借金取りに捕らわれて 2
ヒロは怒った顔もまた可愛い。

眼鏡を取って怒らせた時のことを思い出して微笑ましくなるのを、コホンっと小さく咳をして紛らわした。

怒った顔も見たいが…
そのせいで二人で食べきれないからと誰かを呼ばれても困る。

今、真希ちゃんはこっちにはいないらしいから、武を呼ぼうなんてなったら最悪だ。

二人の時間を邪魔されるだけじゃない。

武にヒロのアパートの場所を知られてしまう。

ヒロに頻繁に会いに来るようなことはないとは思うが…

少しでも懸念がないことにこしたことはない。





「おっ、ケーキじゃん!」


あや姉が置いた箱に武が目を輝かせた。


「隼人からのプレゼント。」


ニコリと笑うあや姉はケーキを皿に分けていく。


「えっ、隼人、俺の分はー?」


「あるわけないだろ。」


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