借金取りに捕らわれて 2
「それなら、このままくたばってくれた方が良いんですけどね。」


「お前、たまに酷いこと言うよな…」



一歩引いた視線が飛んでくるが、現にここまで手こずっているのだから、その方が手間が省ける。



「で、その闇医者の名前は言ってたのか?」


「名前は森住鉄雄。C街の裏に店を構えてます。」


「森住…」


拓海さんは顎に手を当て呟いた。


「名前だけは聞いたことあるな…
行ってみたか?」


「はい。行ってみましたが不在でした。
姿を消したのかもしれませんが、念のためマサに張らせてます。」


「そうか、俺の方でも探ってみるよ。」


「他には、何か言ってたか?」


「いえ、あとは何も。」


「まあ、早瀬は慎重な男だからな。余計なことは言っていかなかったんだろうな。」




< 23 / 137 >

この作品をシェア

pagetop