借金取りに捕らわれて 2
どうぞと、男の子にプリンとスプーンを渡すと、

「お姉ちゃんありがとう!」

満面の笑みに、私も自然と笑みが溢れた。



やっぱり、可愛いー



男の子が嬉しそうにプリンを食べる姿を横目に、私もサンドイッチを頬張った。


夏樹さん特性サンドイッチは、玉子サンドとハムチーズサンドとポテトサンドの三種類。


始めに口にした玉子サンドは、隠し味のからしがほんのりきいていて絶妙な美味しさだ。


流石、夏樹さん。


止まらずまた一口、二口と食べ進めていると…




「ハルキ。」




静かな裏庭に男性の声が響いた。

その声に男の子がプリンから顔を上げる。


「けーちゃん!」


この子の名前、ハルキ君っていうんだ。と、ぼんやり思いながらハルキ君の視線を追えば…




けー…ちゃん?




店舗正面入口に面する道へ続く細道に、黒のストライプスーツを着た長身の男性が立っていた。


肩に付きそうな長さの黒髪、夜なのに薄グレーのサングラスを掛け、磨き上げられた黒光りする革靴を履いている。

サングラスをしていてもイケメンだと分かる顔をしているが…



全身から真希の家の人達と同じ臭いがする…



見るからに危ない感じがするこの人が、けーちゃん?

なんかちょっと、想像してたのと大分違う人が…

いや、明確に想像してたわけじゃないんだけど、こういう人でなかったのは確かだ。


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