ハツコイ
「な……に…」
まともに顔が見れない。
10年ぶりの琉偉は、背も少し伸びてるし、大人の色気もあって…
あの時より…格段にかっこよくなってて。
「あのさ、柚…今更聞くことじゃないかもしれないけど…さ。」
そう言いかけて、琉偉が私の腕をそっと離した。
「俺たちって……別れたってことで…いいんだよ、ね?」
「…へ?」
何、今の。
いやいや、ちょっと待って。
10年間音信不通で、まだ付き合ってるって選択肢、ある?
「し…自然消滅…でしょ?」
「…だよな、ごめん。」
何なにナニ!?
今のごめんって、何!?
変なこと聞いてごめんってこと?
それとも、連絡とらなかったこと?
何考えてるのかわからないよ!!
そんな私を見て、フッと笑った琉偉。
「会えてよかった。じゃ、また。」
そう言って、ドアがパタンと閉まった。
琉偉…何でそんなこと聞いたの?
もしかして…
琉偉も私のこと、忘れずにいてくれた?
やり直すこと……できるのかな…。