秘密の約束。

事件の探索。

あたしたちは今

明けない朝の街を歩いている。
いくら秋といえども朝方は寒い。

家には帰れない。おばちゃんたちの顔をみると
計画を躊躇してしまうから。

だから新しい新居を探している。
おばあちゃんに紹介してもらった家はまだまだ遠い。

「苺香、大丈夫か?寒い?」

睦月はいつもより優しい。あたしのことを気にかけてくれる。

「ほら。」

そう言ってあたしに手を出した。ぐいっとあたしの手のひらを奪って握る。

びっくりしたけどあったかい。

顔が耳まで真っ赤でかわいくて笑った。

「笑うな。ばか」

そう言いながらも顔はずっと赤くて一人でにやけていた。
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