秘密の約束。

ぬかるみ。

あたしは目を覚ました。






おじちゃんに起こされて。





「あきこが重体の大けがで病院に運ばれた」






血の気が引く一言だった。





あたしはベッドから飛び出し下に降りた。

いつもなら落ち着いているおじちゃんも

混乱して

どこか落ち着きなくみえた。


「どうしよう…。あきこが…。あきこが…」

おじちゃんはずっとおばちゃんの名前を呼んでいた。

あたしはなにが起こっているのか

まだ把握出来ずに突っ立っていた。



「早く病院に行こう」



意外に冷静な睦月の一言でようやくおじちゃんは動いた。



「そ、そうだな。はやく行かないと…はやく…」





おじちゃんの手は微かに震えていて


ことの大事さがようやく分かった。
< 160 / 206 >

この作品をシェア

pagetop