秘密の約束。
「睦月ーっ!朝だよ。」

なんか起こされてる。起きるか起きないか…どうしよう。

「んー…あと五分…。」

って言うと、くすぐるか怒るか布団をはがすかなんだよな。

苺香って…

わかりやすい性格。

「起きろってばぁ。……もうっ」

布団をはがされる俺。本当に寒くて、思わず

「寒いーっ」

なんて言ってみた。俺は布団を奪いとるとくるまった。

苺香の顔が見たな。

どんな顔をしてるんだろう。

俺も意地っ張りだから、引きさがれなくて


「…まだ寝る。」


素直になれたら、苺香にも『かわいいよ』とか言えるのかな。
でもそれはちょっとサムイけど。

「起きないと、くすぐる。」

くすぐるのだけは勘弁!俺の負けだ。仕方ない。


いつの間にか勝負にしている自分がいて変な気分になった。

「オハヨウゴザイマス」

俺はカタコトで言った。ウケ狙いなんだけど…。

スルーされてしまった。なにげにショックだったりする。

「おはよ。あーぁ。くすぐりたかったなー」

なんていじわるを言われたけど全然きかねぇし。
俺の方が一枚上手だから。

「じゃあ、俺はちゅーする。」

一瞬固まった苺香は




新鮮でかわいくて




ますますいじめたくなった。



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