溺愛銃弾 ~フルメタル・ジャケット~
この感じだとなにかを言わせたがってる。たぶん。
ちょっと考えたけど分からないから、「・・・そうなの?」って反対に訊いた。

「気にならないし関係ない気がする」

するとお皿を前に頬杖をついた陶史郎さんの目が、すっと細くなる。

「僕より若くてわりと見た目が好い男でも?」

「?」

世の中にはその条件に当てはまる人が沢山いそうだけどな。

「樹が惚れないって証拠ある?」

「???」

なんか。話もどんどん逸れてくし。

「お前の命のほうが大事だから、背に腹は代えられないのは分かってるけどね。玉置もほんとに底意地が悪いな、俺への当てつけにあんなのを寄越すとは」 

目が笑ってない。空気が冷たい。・・・これってもうスイッチ入っちゃってるヤツ。
妖しく微笑んでる陶史郎さんに舌舐めずりされた気がして。そっと溜息を吐いた。
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