溺愛銃弾 ~フルメタル・ジャケット~
「その言葉、忘れたら殺すからね」

結局は殺される運命なのかな。ちょっと可笑しくなった。

「なにされてもいい。・・・陶史郎さんになら」

上になってこっちを見下ろしてる、陶史郎さんの首に手を回して言うと。体重がかかって胸に顔を埋められた。

「そんなこと言って。俺の頭の中のぞいたら、絶対に嫌いになるって知らないくせに」

「・・・なんない」

「なるよ」

「じゃあ・・・なる」

駄々っ子をあやすように髪を撫でてあげる。

年の差を気にして、陶史郎さんがときどき拗ねるのも、本気で見えない銃口を突き付けるのも。困るのと、くすぐったいのの半分半分。

どう言ったら分かってもらえるんだろう陶史郎さんに。難しい数学より難しい。

「・・・なっても僕のものだけどねお前は」

肌をきつく吸い上げられ、膨らみの先っぽを甘噛みされる。何度もされて脳髄が痺れてくる。

「よそ見なんか出来ないように、今日はもうここから出してあげないよ」

・・・それって。ヤキモチっていうやつ?

陶史郎にかかると、ぜんぶが命がけになりそう。
白く溶かされながら。

新しい運転手さんが無事でいられるかが、ちょっとだけ心配になった・・・・・・。



【おわり】




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