[短]氷点下がーる

「花井っち」

声の主は小林巴だった。

「先輩たちから抜けてくるの大変だったよー…って何で泣いてるの?!」


「え」


あたしはいつの間にか涙がでていたらしいです。


「なんでもないです。」

そう言ってあたしは涙を拭う。

「あ、ちょっとそこのベンチに座ってて?」

そう言って木陰のベンチを指差す。
あたしは素直に「うん」と頷いた。
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