アッファシナンテ

食べかけの食事。
お嬢様のディナータイムを
邪魔するなど執事として
あってはならない事をした。

罪滅ぼしという訳ではない。
でも、もしもここへお嬢様が
戻ってきた時にいつも通りの
食事が取れる手はずだけは
整えておこうと思った。

全ての準備を終えて尚
お嬢様は戻って来なかった。

私が廊下へ出るとお嬢様は
玄関の方をぼうっと見つめていた。

春川「お嬢様。
食事の準備が整いました。
私はキッチンの方におりますので
お召し上がりください。
御用の際はお申し付け下さい。」
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