アッファシナンテ

いつものように扉を開けようとすると
お嬢様は鍵をかけていた。
お嬢様がこうして自室の鍵を
かけるのは2度目の事だった。

崎本様に出会われてから
お嬢様はどんどんと変わっていった。

昔は、鍵をかける事などなかったのに。
1人になりたいだなんて言わなかったのに。
食事を欠かす事もなかったのに。

やはり、崎本様とお嬢様を
無理矢理にでも引き離しておくべきだった。
お嬢様が傷付く前に、私の使える
全ての手段を使ってでも
会わないようにしておくべきだった。
崎本様を信じた私が馬鹿だった。

扉の前で項垂れていると
向こう側からお嬢様の声が聞こえる。
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