アッファシナンテ

遼「当たり前だろ。
誰にも譲る気ねぇつーの。」

オーナー「お前がこの店に
来てくれて良かったよ。
お前がいればうちも安泰だ。」

この世界で俺は必要とされている。
今の店、ムーンソルトが7軒目の店だ。

理由はそれぞれあるけれど
俺は、あまり長くその店で
働く事は出来ない。

知っているから。
俺がいるせいでこの世界に憧れる
若いヤツらの芽を摘む事を。

だから、俺は1年以上
同じ店にはいられない。

だけど、俺がいる店は
何年先も安泰だという噂が
いつの間にかこの街で流れ始めた。

何がいいのか。
俺の何を見てるのか。
俺を求めてやってくる。

俺は一体、何者で。
俺は一体、誰なんだろうと
そんな事を考えていた。
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