アッファシナンテ

花恋「だから、今
それを教わっているのよ。」

遼「この屋敷にはメイドがいる。
洗濯や掃除はメイドがやってくれる。
この屋敷にはシェフがいる。
料理はシェフが作ってくれる。
あんたがするべき事なんて何もない。
それよりも、あんたには
するべき事があるんじゃない?」

花恋「それは、何?」

遼「やりたい事をやって
毎日が楽しいって
生きる事がめちゃくちゃ楽しいって
あいつに見せてやる事なんじゃない?
今のあんたは全然楽しそうじゃないよ。」

少し、言い過ぎたかなと反省した。
だけど、花恋は笑っていた。

花恋「そうかもしれないわね。」

遼「俺はもうあんたの恋人じゃないし
ホストと客の関係でもないけど
俺はいつでもあんたの味方だから。
執事としてではなく崎本 遼として。」

ああ、本当に花恋は
憎いくらいにいい笑顔をするんだな。
< 516 / 540 >

この作品をシェア

pagetop