諦めるには値しない

僕たちがボールを片付け
立ち去ろうとすると芹沢くんは
タバコに火をつけた。

昴「右半分だ。」

陶太「え?」

昴「俺らはこっちを使う。
お前らは右半分を使え。」

陶太「いいんですか?」

昴「お前らの方が先にいたんだ。
当然だろ。いいもクソもねぇよ。」

陶太「ありがとうございます。」

頭を下げた僕をじっと見つめると
芹沢くんは急に笑い出した。

昴「お前、あれに似てるな。」

陶太「え?」

昴「豆もやし。」

珀斗「豆もやしって!ははは!
やばい!今日イチでウケた!」

彼との出会いは僕の平凡な
人生を大きく変えた。
< 14 / 582 >

この作品をシェア

pagetop