諦めるには値しない

~陶太side~


いつもとは違う雰囲気の
芹沢くんと藤野が体育館へ
やって来るといつも通りの練習を
僕たちは再開させた。

やっぱり今日も芹沢くんは
キャプテンである僕よりも
皆に指示を出していて
やっぱり今日も日向くんは
そんな芹沢くんに文句を言っていて
やっぱり今日も真山くんは
ため息をついていた。

だけど、それが今の僕たちで
そんな風な皆の姿を見るだけで
安心してしまう僕はやっぱり
キャプテンには向いていないのかも
しれないと思った。

昴「藤野!いつになったら
てめぇは覚えるんだよ!」

芹沢くんの怒鳴り声も
何だか今は当たり前になってきて
その光景を微笑ましく眺めていると
突然、体育館の扉が開く。
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