諦めるには値しない

その言葉を聞いた藤野は目に涙を
溜めながら部室を出て行った。
藤野の事を追いかけた陶太が
いなくなると今までにないほどに
その空間はギクシャクしていた。

珀斗「お前、本気であいつが
犯人じゃねぇって思ってんのか?
あいつ以外考えられねぇだろ!
何であんな野郎のせいで
俺たちが諦めなきゃなんねぇんだよ!」

昴「鼻から信じてもらえねぇ
その辛さを俺は知ってる。
お前らもそうだろ?
信じてくれる奴がいるから
俺たちはここにいられるんだ。」

そんな捨て台詞を残して
昴も部室を後にした。

真山「日向。」

珀斗「何?」

真山「お前の気持ちも分かる。
でも、今のあいつに
何を言っても無駄だと思う。」

珀斗「分かってる。」

真山「考えよう。」

珀斗「は?」

真山「俺たちに出来る事。
昴を説得する方法。
何でもいい。日向の納得の
行くまで考えよう。」

本当に真山は何よりも
昴の事が大事らしい。
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