諦めるには値しない

真山「何も隠すような事は無い。
あいつとは3歳の頃から
ずっと一緒に過ごして来た。
元々は広島の施設にいて
5歳の頃に、こっちの施設に移った。
俺たちは周りより群を抜いて
歪んでいたからあいつとダチになるのに
そう長い時間はかからなかった。」

不動「そんなにも昔から
先輩達は友達なんですね。」

真山「あいつが小5の時
今の母親、冴子さんが施設にやって来て
あいつの里親になりたいと申し出た。
しばらく渋っていたあいつも
冴子さんの人柄の良さに惹かれたのか
冴子さんの養子になる事を決めたんだ。
その日から昴は冴子さんと
同じ家で暮らしてきた。
昴はずっと冴子さんの事を里親だと
思って暮らしてたんだ。だけど先日
冴子さんが本物の母親だということ知った。
それであいつは戸惑ってるんだろう。」
< 440 / 582 >

この作品をシェア

pagetop