諦めるには値しない

戸惑ってるのは俺だけじゃない。
珀斗だってバスケ部の連中だって
皆、戸惑ってる。
その事に気付けた時、俺は
ほんの少しだけ冷静になれた。

昴「それは違うぞ、珀斗。
あいつがどれだけ変わっちまおうが
てめぇに少しでも信じる気持ちが
あるのならやっぱりてめぇはあいつを
信じてやるしかねぇんだよ!
ずっと一緒に過ごしてきた仲間だろ?
てめぇが信じなくて誰があいつの事を
救ってやれるって言うんだよ!」

珀斗「昴‥。」

昴「真山は絶対に連れ戻してみせる!
だから、てめぇは最後の最後まで
陶太の夢を叶えてやってくれよ!
少しは俺たちの事を信じてくれよ!」

俺にはやらなきゃならねぇ事がある。
仲間を信じその仲間のダチを
守らなきゃならねぇ。

だから、俺は決めたんだ。
仲間を守るためだったら
自分が犠牲になったって屁でもねぇ。
俺がそう決めたのなら信じてくれる人が
この世の中にはいる。
母ちゃんだけは俺を応援してくれる。

だったら、孤独に押し潰されそうに
なっている真山を‥
仲間を信じ切れない珀斗を...
救ってやる道以外
俺には残されていない。

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