諦めるには値しない

昴「勝ち進まない方が良かったか?」

陶太「そうじゃないけどさ。
もしも夢が叶ったら
その先には何が待ってるんだろ?」

昴「はぁ?」

陶太「夢が叶ったその先には
一体何があるのかな?
それで終わりなのかな?

昴「夢に終わりなんてある訳ねぇじゃねぇか。
夢が叶ったその先にはまた必ず夢がある。
全国大会に出場する。その夢が叶ったら
全国大会で優勝するっつう夢が出来て
今度はプロになりてぇとか
そんな夢が次から次へと生まれるんだ。
夢の先には希望しかねぇんだよ。」

陶太「希望‥か。」

昴「ウダウダ考えてんじゃねぇ!
夢が叶ったその先なんてのは
夢を叶えてから言えよ!
‥勝つぞ。決勝戦で勝って
俺たちは夢のその先へ行くんだ。」

そう言っていたのに
芹沢くんは次の日
僕たちの前からいなくなった。
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