【短完】七夕の夜、君へ目一杯の愛を叫ぶ
その後〜他者side~
クリスマス。


「なぁ、彼女と出かけてぇんだけどさ、デートって、行くとしたらお前はどこに行きてぇ?」



長年片思いをしている幼なじみに、相談があると言われ放課後に残れば、悪気なく問いかけられた言葉。

それは私の心を残忍に抉るのには十分だった。

別に、期待なんてしていない。していないけど、少しだけ思ってしまうでは無いか。


窓から見える景色は、もうすぐで空が1面オレンジ色に染まるのだろう、直前という感じだ。

もう、冬だ。暮れるのも早くなる。


『自分で考えなさいよ。ほかの女と彼氏がたてたデートなんか行きたくない。』


「んー?いや、ま、そうかもしんねぇけど、絶てぇー、成功させてぇんだよ。」


『私とは好みが違うでしょ、』


「いや、似てるから頼んでんだって。」


私の前の席に座って、体だけを私の方に向ける。


……何が楽しくて好きな人と彼女のデートなんて考えないといけないのよ。


もしも、全ては実は私のため、とかだったら泣いて喜んだだろう。



『行くとしたら、映画とかじゃないの?上映の時は喋らなくてもいいし終わったら盛り上がれるでしょ。……あんたが寝なければの話だけどね。』



だけど、違うことなんて知ってる。

あの子にしか見せない、無邪気に笑って、八重歯を見せて、目尻をクシャッとさせて笑うんだ。

楽しそうに。嬉しそうに。


「そっか!ありがとな!!行ってくる!!!」







ほんと、


『馬鹿なんじゃないの?』



1人残された部屋でぽつりと呟いた。



彼女はもう、居ないというのに。ずっと、亡きものの影に縋って。

きっと、今頃彼女の墓石に話しかけているのだろう。



「なあ、映画、行かねぇか?デート、してぇんだけど。

いつでもいいから。いつまででも待ってるから。

来世でも、再来世でも、いくらでも。


…………なぁ、だから、その時は…また、2人で出かけよう?」


こんな風に言っているのだろう。


『ほんと、馬鹿。』


彼女は去年の七夕に、事故であんたをかばって死んだでしょ、流風。


『そろそろ、私も見てよ……』


本当は、あらぬ期待ばかりして、流風から離れることができない自分が一番馬鹿なのだと悟っていた。
< 13 / 13 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

【長完】Keeper.l
星野零/著

総文字数/148,276

青春・友情313ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
全国No.1暴走族Keeper、通称"K"。 その中でも歴代最強と言われる13代目。 最強の5人が統治する暴走族。 総長金メッシュ、副総長銀メッシュ、 幹部 赤、青、緑メッシュをそれぞれ黒髪に入れている。 だが金メッシュは消え、銀メッシュはKから降りた。 裏世界には衝撃が走る。 それと同時期にある少女が波乱を起こす。 彼女を待ち受けていたのは暴走族 《神龍》 無口キャラ崩壊総長 「見ろ!イヌオくんだ!!」 十勝 龍喜 金髪デリケート副総長 「あ"?近寄んな」 相澤 輝 元気な藍色 親衛隊長 「りかちーん!」 永富 雪 腹黒?気遣い屋さん 参謀 「大丈夫?怪我してない?」 時友 律 幼なじみ故の溺愛お姫様 「強く、なりたいな。」 松浦 千歩 最強な戦闘員 『ゲームは楽しんだ者勝ちでしょう?』 紫陽 里香 **◈◇♡◇◈ 彼女達の前で運命は残酷に笑う。 最後まで立っていられるのは誰だ ----------------------------- 暴走族×お姫様×戦闘員 ※.この物語はフィクションであり、私のオリジナルです。 ※.未成年の喫煙、飲酒 また、暴行を推奨するものではありません。 ※.暴力表現あります(P220〜221、222前半) ♡.応援コメ、本棚登録ありがとうございます! 【Special Thanks♡!】 読んでくださった皆様へ! 2020.03.20 KeeperI 完結 2026.01.01 神龍と里香の出会い方変更
Keeper.ll
星野零/著

総文字数/78,092

青春・友情145ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
《Keeper.Ⅱ》 全国No.1暴走族Keeper、通称"K"。 その中でも歴代最強と言われる13代目。 総長金メッシュ、副総長銀メッシュ、 幹部 赤、青、緑メッシュ。 だが金メッシュは消え、銀メッシュはKから降りた。 裏世界には衝撃が走る。 それと同時期にある少女が波乱を起こす。 彼女を待ち受けていたのは暴走族 《神龍》 全てが崩壊総長 「イヌオくんに…苗字がついてた…、だと!?」 十勝 龍喜 神龍1心労の副総長 「これだからお前らはぁ!!」 相澤 輝 自由気ままの親衛隊長 「え〜?僕が騎馬〜?君、頭、正気?」 永富 雪 おいおいどうした我らが参謀 「僕はね、お母さんになりたかったんだ」 時友 律 いつでもどこでもトルネードお姫様 「あらやぁだ奥さん、何していらして?」 松浦 千歩 頭が痛いぜ!戦闘員 『これ以上私にツッコミを入れさせるな……』 紫陽 里香 .。₀:*゚✲゚*:₀。 気が付かないうちに、水面下では物事が運ばれている。ヒトヒラの手がかりを掴め。 ----------------------------- 暴走族×お姫様×最強戦闘員 ----------------------------- ※.この物語はフィクションであり、私のオリジナルです。 ※.読めないような誤脱字あったら教えてください ♡.表紙は椎葉さくら様に作って頂きました! ⚠️.暴力表現、流血表現が入る場合があります。苦手な方は閲覧注意です。 ⚠️.シリーズもの第2弾になります。1から読むことをおすすめします!
表紙を見る 表紙を閉じる
「先に行って」 《おいていかないで》 「僕は大丈夫」 《助けて…》 「少し、1人にしてくれる?」 《1人にしないで。》 「大嫌い」 《大好きだよ、いつまでも、ずっと。》 「僕のことは忘れてよ。」 《僕のことを忘れないで》 ______『全部、全部。嘘だよ。』 僕らはいつも天邪鬼で。素直になることは出来ないんだ 本音と建前は、いつも正反対。 苦しいのに、苦しいなんて、言えないんだ。 《ほら》 ____差し出される手を望んで 《一緒に行くぞ》 この言葉を心の中でずっと待っている。 『“自分”というものを、受け入れてもらえる場所を探していたんだ。 昔も、 今も、 ずっと。』 ※.各小説の キャラや設定が乗っています。 ※.かなりネタバレを含みますが、分からないことが会ったら是非是非! ※.特に、Keeperの世界観?とか。語句が、ね。 ※.番外編、本編完結してからにしますね?恋愛の方とかは。神龍はちょこちょこ載せるかもです。 ※.金メッシュの名前載ってます。ネタバレ嫌な人は神龍の項目から見ていただけたら……。項目だけでは分からないから大丈夫よ!

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop