君と出会って

元カノの誘惑

−その頃−


「あーぁ…早く話終わんねぇかな。」


啓斗は、
ジュースを買った後も
2人だけの空間を
守ってくれていた。


すると・・・


(コツコツコツ…)


「ん?」


啓斗の前に
ブーツを履いた女性が
現れた。


「・・・沙有実?!何だよ、今更。」


「啓クンに1つ報告があって。聞きたい?」


「どーせなら言えよ。」


「分かった。」


ブーツを履いた女性は、
沙有実さんだった。


「啓クンの彼女いるよね?」


「まなの事?」


「うん。あの子って、モテるでしょ?」


「うーん…ま、あんだけ可愛かったらなぁ☆」


「ぢゃあ、啓クンは勝ち組なんだ?」


「勝ち組?いやぁ、そんなことは(照)」


「のろけるのは、だ〜め(笑)ホントなんだから☆それよりも
実はね・・・」


沙有実さんが話し出した。
沙有実さんの
子供の父親のことを・・・



実は・・・いなかった。

後から知った事だけど…
妊娠したと分かった頃から浮気をしていたらしく、沙有実さんから
離れて行ったらしい。


「・・・だから、シングルマザーなんだ。」


「ウソだろ?じゃあ、この前の男は?」


「あぁ。あの人が父親だよ。もぉ、彼女もできたらしいんだ。でも、赤ちゃん見に来たんだって!!笑えるよねー(笑)てか、笑うことしか出来ないよ・・・」


沙有実さんの目からは
涙がこぼれていた。


この時、
啓斗の心が揺れ動いていた。



まさか
沙有実さんの誘惑とも
知らずに・・・
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