four seasons〜僕らの日々〜
「大事な話があるんだ」

翔の胸がドクンと音を立てる。

「……僕は、椿ちゃんと別れた」

「えっ!?どうして?」

美桜が驚く。美桜の目にはきっとお似合いのカップルに見えていたのだろう。翔はそう思った。

「だって……あんなに仲良くて……」

動揺する美桜に、蓮は冷静に説明した。

「僕は、椿ちゃんのことを友達としか思えなかった。恋なんてできなかった。愛せなかった」

この流れで美桜に告白をするのか…?蓮の行動を予想することができず、翔はひたすら蓮の言葉に耳を傾ける。

「椿ちゃんは、僕のことを本気で好きでいてくれた。僕もその気持ちに応えたかった。でも、できなかった…!」

君のことが好きだから…!そんな蓮の心の声が聞こえた気がして、翔は体を震わせる。

ずっと翔は蓮のことが嫌いだった。美桜を傷つける最低な人間としか思えなかった。しかし、美桜を強く想う気持ちは嫌でも伝わってくる。

「だから、椿ちゃんを傷つけてしまった。僕は本当に最低だ。だから……償わないといけないと思う」

「償うって…?」

美桜が震える声で訊ねた。

「……もう、歌わない。ピアノを弾かない。歌も作らない。…美桜ちゃんと関わらない」
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