four seasons〜僕らの日々〜
「お願い!美桜や好きなことから逃げないで!!私のことは忘れてもいい。でも、これ以上誰かが傷つくのを見たくないの!」

私の目から涙がこぼれた。

「松井くんは、美桜のことを本気で想ってる。このままじゃ取られちゃうよ?それでもいいの?美桜を幸せにしたいって思わないの?」

頭に浮かぶのは、幸せそうに笑う美桜と蓮。きっと美桜もこうなることを願ってる。私もこんな風に友達に幸せになってほしい。

私は必死で蓮に言い続けた。もう言葉が出てこなくても、考え、言葉を口から出す。

「蓮は優しい。美桜もちゃんとそれをわかってる。だから、幸せを掴んでよ。自分から道を壊さないで……」

蓮の目から、ひとすじの涙がこぼれた。その涙をそっとぬぐい、蓮が口を開く。

「……僕でいいのかな?こんな最低な僕で、本当にいいのかな?美桜ちゃんは松井くんといた方が幸せなんじゃーーー」

「そんなことない!大切なのは、蓮がどうしたいかだよ!!」
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