four seasons〜僕らの日々〜
でも、私と蓮くんじゃ釣り合わないよと自分に言い聞かせる。

蓮くんは、自分の秘密を話してくれた。でも私は話せていない。蓮くんみたいに続けてもいない。私の好きなことは、隠してしまったことはーーー手話。

「ごめんなさい…。ありがとう」

美桜は呟く。蓮は一瞬驚いた顔を見せたが、ピアノを弾き優しい声で歌い続ける。

嘘をついてごめんなさい。好きになっちゃいけないのに、好きになってごめんなさい。でも、捨ててしまったことをもう一度好きにさせてくれてありがとう。

美桜はピアノと歌を聴きながら、何度も思った。

胸がまた痛んだ。
< 42 / 280 >

この作品をシェア

pagetop