カボチャの馬車は、途中下車不可!?
7. 悪魔のしっぽ

「運転手さん、もっと先までお願いしますっ。止まらないでください!」

「えぇっ!?」

「ま、真杉さん? いや、でももう着いてるし」

「いえ、もっともっと先まで行きましょう! 停まったらダメです!」
今ここで降りたくないっ! 降ろされたくない!

「お願いしますっ停めないで!!」
運転席にしがみつかんばかりに食いついたけど、「えーっと、もう精算ボタン押しちゃったんで……」と運転手さんも困り顔。

「……す、すみません」
へなへなって、シートに沈み込んだ。

あー……気づくべきだった。
朝のこともあるし、会社で待ち伏せされることくらい予想できたのに。

地団駄踏んでも、もう遅い。


「真杉さんどうしたの? 彼氏と喧嘩でもしてるわけ?」

「いえ、ですからあの人は、全然彼氏なんかじゃなくて……」

「ほらほら、僕がお金払っとくから、君はもう行きなさい。直帰ってことにしておくから」

「は? や、あのでもっ……」

「急ぎの仕事はないんでしょ。はい、お疲れ様!」
早く行った行ったって。

いつも優柔不断で頼りない課長と同一人物とは思えないほど、きっぱり言われちゃって。
私は、タクシーから強制的に降ろされた。
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