カボチャの馬車は、途中下車不可!?
3. 現れた王子

言葉が音を失い、空中に消えていく。
意識のすべてが、彼に集中していく。

息をすることも忘れて、私は目の前のその人を食い入るように見つめた。


——王子様みたいなイケメンで……


青山さんの言葉が、よみがえる。

うん。
いやその……確かに、間違っちゃいない。

目の前の彼は、イケメン、なんて言葉が薄っぺらく聞こえるくらいの、一般常識レベルを超越した、稀有な美貌の持ち主だった。


年齢は30前後かな。

嫉妬してしまいそうなほど白い、瑞々しい肌をしてる。

通った鼻筋や、高い頬骨、大きめの唇……
彫刻のように潔く刻まれた凹凸には、思わず触れたくなるほどの色気があって。

そんな完璧なまでに計算された端正な面差しを、少し垂れ気味の目尻が、マイルドな印象でまとめていて。

なんていうか。
本気で童話の中から抜け出してきたような……
そう、まさに王子様だ。


でも、さ。
< 42 / 554 >

この作品をシェア

pagetop